「挨拶が小さい」「もっと元気よく」と言われたけれど、どうすれば感じのいい挨拶になるのかよくわからない。
売り場でお客様とすれ違ったとき、毎回「いらっしゃいませ」と言うべきなのか迷う。
そんな悩みを持っている人は多いと思います。
僕は家具店の販売員として5年、アルバイトも入れると10年ほど接客の仕事をしてきました。
この記事では、言葉を覚えたあとの「どう言えば伝わるか」に絞って、挨拶のコツと場面ごとの例をまとめます。
- 言葉より先に、お客様の目を見て表情をつくる
- 声は大きさより「少し高め・語尾まではっきり」を意識する
- お客様より先に挨拶する。すれ違うときは会釈+小さめの声で
- 場面に合わせて、決まった言葉に「ひと言」を足す
接客7大用語の意味や覚え方、お辞儀の角度は接客7大用語とお辞儀の記事にまとめています。
この記事とあわせて読むと、言葉と使い方の両方がそろいます。
接客で挨拶が大切な理由|最初の数秒でお店の印象が決まる
挨拶は接客の中でいちばん短いやりとりですが、お客様がそのお店や店員をどう感じるかは、最初の挨拶でほとんど決まってしまいます。
理由①:お店の第一印象になる
お客様が店に入って最初に受け取るのが、店員の挨拶です。
明るい挨拶があると「歓迎されている」と感じ、挨拶がないと「入ってよかったのかな」と不安になります。
理由②:話しかけやすいお店だと伝わる
一度挨拶を交わしておくと、お客様は「わからないことがあったら、あの人に聞けばいい」と感じます。
売り場で質問されることが多い店員ほど、最初の挨拶がしっかりしていることが多いです。
理由③:お店全体の雰囲気がよくなる
気持ちのいい挨拶は、お客様だけでなく、まわりのスタッフにもうつります。
1人が明るく挨拶していると、ほかのスタッフの声も自然と明るくなり、お店全体が買い物しやすい空気になります。
理由④:お客様の様子がわかる
挨拶をしたあとのお客様の反応を見ると、話しかけてほしいのか、ひとりでゆっくり見たいのかが、ある程度わかります。
挨拶は、そのあとの接客の進め方を決めるきっかけにもなります。

感じのいい挨拶にする5つのコツ
同じ「いらっしゃいませ」でも、言い方ひとつで印象は大きく変わります。
意識するのは、目線・表情・声・タイミング・ひと言の5つです。
挨拶の印象は、言葉そのものより「言い方」で決まる
コツ①:目線|言う前にお客様の目を見る
挨拶は、お客様の目を見てから言うのが基本です。
商品を並べながら、レジを打ちながら、目を合わせずに言う挨拶は、どうしても「流れ作業」に聞こえます。
手を止められないときでも、顔だけはお客様のほうへ向けます。
目を合わせるのが苦手な人は、接客のアイコンタクトのコツも参考にしてください。
コツ②:表情|口角を上げてから声を出す
笑顔をつくってから声を出すと、自然と声も明るくなります。
マスクをしているときは口もとが見えないので、目もとで笑うことを意識します。
目尻を少し下げるだけでも、やわらかい印象になります。
笑顔が苦手な人は、接客の笑顔のコツも参考にしてください。
コツ③:声|大きさより「高さ」と「語尾」
「声を大きく」と言われがちですが、大きすぎる声はお客様をびっくりさせてしまいます。
ただ、店内はBGMやほかのお客様の話し声、作業の音などで、思っているより騒がしいものです。
小さすぎる声も届きません。
大事なのは、ふだんより少し高めの声で、語尾まではっきり言うことです。
「いらっしゃいませー」と語尾をのばしたり、「らっしゃいませ」と頭が消えたりすると、元気がなく聞こえます。
コツ④:タイミング|お客様より先に言う
挨拶は、お客様に先に「すみません」と声をかけられてからでは遅いと考えておきます。
お客様が入口を通ったとき、売り場に近づいてきたときなど、こちらが先に気づいて先に挨拶するのが理想です。
先に挨拶されると、お客様は「気づいてくれている」と安心します。
コツ⑤:ひと言|決まった言葉にひと言足す
「いらっしゃいませ」のあとに「こんにちは」「雨の中ありがとうございます」と足すだけで、決まり文句ではなく、自分に向けた挨拶に聞こえます。
常連のお客様なら「いつもありがとうございます」、暑い日なら「暑い中ありがとうございます」など、季節や天気の言葉を使うと自然です。
売り場ですれ違ったときの挨拶は?会釈+小さめの声でいい
スーパーや家具店など、広い売り場ではお客様とすれ違うことが何度もあります。
そのたびに大きな声で挨拶する必要はなく、軽い会釈と、相手に届くくらいの小さめの声で十分です。
すれ違うときの基本:止まる・道をゆずる・会釈
- 立ち止まる:歩きながらではなく、いったん止まる
- 道をゆずる:通路のはしに寄って、お客様を先に通す
- 会釈する:15度くらいの軽いお辞儀に「いらっしゃいませ」を小さめに
カートや台車を押しているときは、とくにお客様の通り道をふさがないようにします。
商品を並べている最中でも、手を止めて体をお客様に向けるだけで印象がちがいます。
同じお客様と何度もすれ違うときは?
同じお客様に何度も「いらっしゃいませ」を言うと、かえって気をつかわせてしまいます。
2回目からは、目が合ったら軽く会釈するか、ほほえむだけで大丈夫です。
店員がすれ違っても挨拶しないのはなぜ?
お店によっては、すれ違うときの挨拶をあえて控えめにしているところもあります。
ゆっくり商品を見たいお客様に、何度も声をかけないための配慮です。
挨拶を省くのではなく、「声は小さく・会釈はする」と強さを調整していると考えるとわかりやすいです。
働くお店のルールがあれば、それに合わせます。
場面別の挨拶の例|入店・売り場・レジ・お見送り・電話
挨拶は場面によって、言葉も声の大きさも変わります。
「誰に向けて、どのくらいの距離で言うか」を意識すると、自然な挨拶になります。
| 場面 | 挨拶の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 入店 | いらっしゃいませ、こんにちは | 入口のほうを向いて、はっきりと |
| 売り場で近づく | いらっしゃいませ。何かお探しでしたらお声がけください | 少し距離をとってから |
| レジ | お待たせいたしました。いらっしゃいませ | 目を見て、ひと呼吸おいてから会計へ |
| お見送り | ありがとうございました。お気をつけてお帰りくださいませ | 作業の手を止めて、お客様のほうを向く |
| 電話 | お電話ありがとうございます。○○店の△△でございます | ふだんより少し高めの声で、ゆっくり |
入店:入口のほうを向いて、明るくはっきり
お客様が入ってきたら、入口のほうを向いて「いらっしゃいませ」と言います。
近くにいる店員が先に言ったら、ほかの店員も続けて言う「やまびこ挨拶」をしているお店もあります。
お店全体で歓迎している雰囲気が伝わる一方で、声が重なりすぎるとうるさく感じるので、遠くの店員は声を少し落とすくらいでちょうどいいです。
売り場:すぐに話しかけず、少し距離をとる
商品を見ているお客様に、近づいてすぐ「何かお探しですか」と声をかけると、警戒されることがあります。
まずは少し離れたところから「いらっしゃいませ」とだけ挨拶して、お客様が商品を手に取ったり、あたりを見回したりしたタイミングで声をかけると自然です。
レジ:待たせたら「お待たせいたしました」から
レジに並んでいたお客様には、「いらっしゃいませ」より先に「お待たせいたしました」と言うと、待ったことへの気づかいが伝わります。
会計の最後の「ありがとうございました」は、レシートやお釣りを渡し終えてから、お客様の顔を見て言います。
お見送り:最後のひと言がいちばん記憶に残る
お見送りの挨拶は、お客様がお店を出るときの最後の印象になります。
雨の日は「足もとにお気をつけください」、荷物が多いお客様には「お車までお持ちしましょうか」など、その人に合わせたひと言を足すと、ぐっと印象がよくなります。

電話:顔が見えないぶん、声で表情をつくる
電話では表情が見えないので、ふだんより少し高めの声で、ゆっくり話すのが基本です。
最初に「お電話ありがとうございます」とお礼を言い、お店の名前と自分の名前を名乗ります。
切るときは「失礼いたします」と言ってから、相手が切ったのを確かめて静かに受話器を置きます。
季節や特別な日の挨拶|新年・年末・常連のお客様
ふだんの挨拶に慣れてきたら、その日・その人だけのひと言を足してみましょう。
お客様に「覚えてくれている」と感じてもらえる挨拶になります。
| 場面 | ひと言の例 |
|---|---|
| 年明けの初めての来店 | あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします |
| 年末の最後の来店 | 今年もありがとうございました。よいお年をお迎えください |
| 常連のお客様 | いつもありがとうございます |
| 雨・雪の日 | お足もとの悪い中、ありがとうございます |
| 暑い日・寒い日 | 暑い中(寒い中)ありがとうございます |
新年の挨拶は、松の内(1月7日ごろまで。
地域によっては15日ごろまで)が目安です。
それを過ぎたら「本年もよろしくお願いいたします」だけにすると自然です。
やってしまいがちなNGな挨拶
本人は挨拶しているつもりでも、お客様からはそう見えていないことがあります。
とくに多いのは「ながら挨拶」です。
| NGな挨拶 | どう見えるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 作業しながら言う | 流れ作業・歓迎されていない | 手を止めて顔を向ける |
| 目を合わせずに言う | 心がこもっていない | 目を見てから言う |
| 語尾をのばす | だらしない・やる気がない | 語尾まで短くはっきり |
| 大きすぎる声 | びっくりする・落ち着かない | 相手との距離に合わせる |
| 店員どうしの会話を続けたまま | お客様より雑談が大事に見える | お客様が来たら会話を止める |
どれも、言葉を変えるのではなく、言い方と体の向きを少し変えるだけで直せます。
挨拶が苦手・声が出ない人のための練習
挨拶が苦手な人の多くは、声が小さいのではなく、「言うタイミング」がつかめずに出遅れていることが多いです。
- 言うタイミングを決めておく:「入口の自動ドアが開いたら」「お客様が3歩手前まで来たら」など
- 最初のひと言だけ大きく:「いらっしゃいませ」の「い」をはっきり出すと、続きは自然に出る
- 開店前に一度声を出しておく:その日最初の声は小さくなりやすい
- 上手な先輩の言い方をまねる:声の高さ・間の取り方をそのままコピーする
接客そのものが苦手でつらいと感じている人は、接客業で人間嫌いになるときの対処法も読んでみてください。
接客の挨拶のよくある質問
-
Q接客で挨拶が大切なのはなぜ?
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A最初の挨拶で、お店や店員の印象がほとんど決まるからです。挨拶があると、お客様は歓迎されていると感じ、わからないことを質問しやすくなります。
-
Qスーパーで店員とすれ違ったとき、挨拶はするべき?
-
A店員側は、立ち止まって道をゆずり、軽い会釈と小さめの声で挨拶するのが基本です。同じお客様と何度もすれ違うときは、会釈かほほえむだけでかまいません。
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Q挨拶の声はどのくらいの大きさがいい?
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A相手に届く大きさで、少し高めの声が目安です。大きすぎる声はお客様をびっくりさせるので、距離に合わせて調整します。
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Qやまびこ挨拶とは?
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A1人の店員が「いらっしゃいませ」と言ったら、まわりの店員も続けて言う挨拶です。お店全体で歓迎している雰囲気が伝わりますが、声が重なりすぎないように調整します。
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Q挨拶にプラスするひと言の例は?
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A「こんにちは」「いつもありがとうございます」「雨の中ありがとうございます」などです。季節や天気、お客様に合わせて選ぶと自然です。
-
Q接客7大用語やお辞儀の角度は?
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Aいらっしゃいませ・かしこまりましたなど7つの言葉と、会釈・敬礼・最敬礼の3種類のお辞儀が基本です。くわしくは接客7大用語とお辞儀の記事にまとめています。
まとめ:挨拶は「言い方」と「先に言う」で変わる
挨拶は、特別な才能がなくても、意識するだけで今日から変えられる部分です。
まずは「相手を見てから言う」だけでも試してみてください。
\ 挨拶のあとの言葉づかいもみがくなら /

