レジに立つと、お客さまの前で何と言えばいいのか、頭が真っ白になってしまう。
「この言い方で合っているのかな」と不安になりながら会計をしている。
新しくレジの仕事を始めた人なら、一度はこんな気持ちになりますよね。
レジの接客は、決まった流れと言葉を覚えてしまえば、実はそれほど難しくありません。
この記事では、接客業を正社員で5年、アルバイト時代を含めると10年近く続け、その中でレジも担当してきた僕が、レジ接客の流れと正しい言葉遣いをまとめました。
- ① あいさつ →「いらっしゃいませ」
- ② 金額を伝える →「お会計〇〇円でございます」
- ③ 支払い方法を聞く →「お支払い方法はいかがなさいますか」
- ④ お預かり →「〇〇円お預かりいたします」
- ⑤ お釣り・レシート →「〇〇円のお返しでございます」
- ⑥ お見送り →「ありがとうございました」
レジ接客の基本の流れは6ステップ|順番どおりに言葉を出せばいい
レジの接客は、どのお店でもだいたい同じ流れで進みます。
流れを先に頭に入れておくと、次に何を言えばいいかで迷わなくなります。
レジ接客の6つの流れ| 流れ | すること | 言葉の例 |
|---|---|---|
| ①あいさつ | お客さまの方を見て声をかける | いらっしゃいませ |
| ②商品・金額 | 商品を読み取り、合計を伝える | お会計〇〇円でございます |
| ③支払い方法 | 何で払うかを聞く | お支払い方法はいかがなさいますか |
| ④お預かり | お金・カードを受け取る | 〇〇円お預かりいたします |
| ⑤お釣り・レシート | お釣りとレシートを渡す | 〇〇円のお返しでございます |
| ⑥お見送り | 商品を渡してあいさつ | ありがとうございました |
※ポイントカードやレジ袋の確認は、②の前後で聞くお店が多いです。お店のマニュアルがあれば、そちらに合わせましょう。
①あいさつ:お客さまの方を見て「いらっしゃいませ」
お客さまがレジに来たら、手を止めて顔を上げ、目を見て「いらっしゃいませ」と声をかけます。
前のお客さまの片付けをしながら言うと、それだけで冷たい印象になってしまいます。
並んで待っていたお客さまには、「お待たせいたしました」と一言そえると、印象がぐっと良くなります。
②商品を読み取って金額を伝える
商品や伝票は、片手ではなく両手で受け取ります。
お金やカードは両手で受け取れても、商品は片手になってしまう人が意外と多いところです。
商品を1つずつ読み取ったら、合計の金額を「お会計〇〇円でございます」とはっきり伝えます。
点数が多いときは「〇点で、〇〇円でございます」と点数も言うと、打ち間違いに気づいてもらいやすくなります。

③支払い方法を聞く
今は現金のほかに、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など払い方がたくさんあります。
金額を伝えたら「お支払い方法はいかがなさいますか」と聞きましょう。
言い方は次の章で詳しく紹介します。
④お金・カードをお預かりする
現金なら受け取った金額を声に出して確認し、カードなら両手で受け取ります。
⑤お釣り・レシートを渡す
お釣りは、お客さまが受け取りやすいように渡します。
渡し方のコツも、あとの章で紹介します。
⑥商品を渡してお見送り
商品を両手で渡して「ありがとうございました」。
最後にもう一度お客さまの目を見て、軽くおじぎをすると、気持ちよく帰ってもらえます。
レジ接客の言葉遣い一覧|場面ごとの正しい言い方
ここからは、場面ごとの言葉を一覧にしました。
迷ったら、この表の言い方をそのまま使えば失礼になりません。
| 場面 | 正しい言い方 |
|---|---|
| お客さまが来たとき | いらっしゃいませ |
| 待たせたとき | お待たせいたしました |
| ポイントカードの確認 | ポイントカードはお持ちでしょうか |
| レジ袋の確認 | レジ袋はご利用になりますか |
| 金額を伝える | お会計〇〇円でございます |
| 支払い方法を聞く | お支払い方法はいかがなさいますか |
| 現金を受け取る | 〇〇円お預かりいたします |
| ちょうどのとき | 〇〇円ちょうど頂戴いたします |
| お釣りを渡す | 〇〇円のお返しでございます |
| レシートを渡す | レシートでございます |
| 少し待ってもらう | 少々お待ちくださいませ |
| お見送り | ありがとうございました。またお越しくださいませ |
「〜でございます」と「〜いたします」を使い分ける
レジの言葉は、ほとんどが「〜でございます(ものや金額を伝える)」と「〜いたします(自分がすることを言う)」の2つで言えます。
たとえば、金額は「〇〇円でございます」、受け取るのは「お預かりいたします」です。
この2つの形を覚えておくと、マニュアルにない場面でも自然な言い方を作れます。
支払い方法の聞き方は「お支払い方法はいかがなさいますか」
検索でもよく調べられているのが、支払い方法の聞き方です。
いちばん丁寧で、どのお店でも使えるのは「お支払い方法はいかがなさいますか」です。
「いかが」は「どう」の丁寧な言い方、「なさいますか」は「しますか」をお客さまを立てる形にした言葉なので、敬語として正しい言い方です。
| 言い方 | 丁寧さ | 使える場面 |
|---|---|---|
| お支払い方法はいかがなさいますか | ◎ | どのお店でも |
| お支払い方法はどうなさいますか | ○ | 少しくだけたお店 |
| お支払いはどうされますか | ○ | カジュアルなお店 |
| お支払いは何にしますか | × | お客さまには使わない |
※「されますか」も尊敬語として間違いではありませんが、「なさいますか」のほうがより丁寧に聞こえます。
選べる払い方が分かりにくいときは、具体的に聞く
お客さまが迷っていそうなときは、「現金とカード、どちらになさいますか」「電子マネーもご利用いただけます」のように、選べるものを具体的に言うと親切です。
キャッシュレスの端末の操作をお願いするとき
QRコード決済や電子マネーで、お客さまに端末の操作をしてもらうときは、「こちらにタッチをお願いいたします」「こちらのコードを読み取らせていただきます」のように、何をしてほしいかをはっきり伝えましょう。
クレジットカードのときの言い方と流れ
クレジットカードは、お客さまの大事なものを預かる場面です。
言葉だけでなく、扱い方にも気をつけましょう。
とくに大事なのが暗証番号のときです。
お客さまが暗証番号を入力している間に手元をのぞくと、不安にさせてしまいます。
入力が終わるまでは、少し目線をそらして待ちましょう。
カードを返すときは、レシートや控えと一緒に渡すと、お客さまがまとめて財布にしまえて親切です。
現金のときの「お預かり」と「お釣りの渡し方」
現金の会計は、金額のまちがいがいちばん起きやすい場面です。
言葉と手順をセットで覚えておきましょう。
受け取った金額を声に出して確認する
お金を受け取ったら、「1,000円お預かりいたします」と、受け取った金額を声に出します。
こうしておくと、「5,000円札を出したのに」といった行き違いを防げます。
受け取ったお札は、お釣りを渡し終えるまでレジの中にしまわず、見える場所に置いておくお店も多いです。
お釣りは「お札→小銭→レシート」の順に
お釣りを渡すときは、次の順番にすると、お客さまが受け取りやすくなります。
お札と小銭を一度に重ねて渡すと、小銭がすべり落ちやすく、金額も確かめにくくなります。
ひと手間でも、お札と小銭は分けて渡すのが親切です。

ちょうどのときは「頂戴いたします」
お客さまがちょうどの金額を出したときは、お釣りがないので「お預かり」ではなく、「〇〇円ちょうど頂戴いたします」と言います。
レジでつい言ってしまう「間違った言葉遣い」
いわゆる「バイト敬語」は、気をつけていてもつい口から出てしまいます。
よくあるものを、正しい言い方と一緒にまとめました。
| よくある言い方 | 正しい言い方 |
|---|---|
| 1,000円からお預かりします | 1,000円お預かりいたします |
| 〇〇円になります | 〇〇円でございます |
| こちらでよろしかったでしょうか | こちらでよろしいでしょうか |
| レシートのほうお返しします | レシートでございます |
| ポイントカードはお持ちですか? | ポイントカードはお持ちでしょうか |
| 少々お待ちください | 少々お待ちくださいませ |
「〇〇円から」の「から」はいらない
「1,000円からお預かりします」の「から」は、つけなくても意味が伝わる言葉です。
「から」が入ると、まるで1,000円の中から何かを取るような、まわりくどい言い方になってしまいます。
「1,000円お預かりいたします」とすっきり言いましょう。
「〜になります」は、何かが変わるときの言葉
「〜になります」は、本来は「春になります」のように、何かが別のものに変わるときに使う言葉です。
金額やものを伝えるときは「〜でございます」にしましょう。
まずはお店のマニュアルに合わせる
ただし、言葉遣いはお店ごとにマニュアルで決まっていることもあります。
お店の決まりがある場合は、そちらに合わせるのがいちばんです。
レジ接客が上手い人の特徴|混雑・クレームのときのコツ
同じ言葉を使っていても、「この人のレジは気持ちがいい」と感じる人がいます。
そういう人には、いくつか共通点があります。
とくに混んでいるときほど、言葉はゆっくり、ていねいにを意識すると、お客さまに「急かされた」と感じさせずにすみます。

まちがえたとき・クレームのときは、まず謝って確認する
打ち間違いやお釣りのまちがいに気づいたら、「大変失礼いたしました」とすぐに謝り、その場で正しい金額を確認します。
自分で判断できないときは、「確認いたしますので、少々お待ちくださいませ」と伝えて、店長や先輩を呼びましょう。
あわてて自分だけで解決しようとすると、かえってお客さまを待たせてしまいます。
緊張するなら、最初の一言だけ大きな声で
レジが怖い、緊張するという人は、最初の「いらっしゃいませ」だけを、いつもより少し大きな声で言ってみてください。
最初の一言が出ると、そのあとの言葉も自然と続きやすくなります。
言葉遣いをもう少しきちんと身につけたい人は、販売員の言葉遣いをテーマにした本を1冊読んでおくのもひとつの方法です。
レジ接客でよくある質問
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Q「お支払い方法はいかがなさいますか」は正しい敬語?
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A正しい敬語です。「いかが」は「どう」の丁寧な言い方、「なさる」は「する」の尊敬語なので、お客さまに支払い方法を聞くときのいちばん丁寧な言い方です。
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Q「お支払いはどうされますか」は失礼?
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A失礼ではありません。「される」も尊敬語ですが、「いかがなさいますか」のほうがより丁寧に聞こえます。
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Qクレジットカードを受け取るときは何と言う?
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A「お預かりいたします」と言って、両手で受け取ります。返すときは「カードのお返しでございます」です。
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Qお釣りがないときは何と言う?
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A「〇〇円ちょうど頂戴いたします」と言います。お釣りがないので「お預かり」ではなく「頂戴」を使います。
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Qレジでの「〜になります」はダメ?
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A金額やものを伝えるときは「〜でございます」が正しい言い方です。ただ、お店のマニュアルで決まっている場合は、それに合わせましょう。
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Qレジの接客に向いている人は?
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A決まった手順をていねいにくり返せる人、お客さまの様子に気づける人が向いています。最初は緊張しても、流れを覚えれば多くの人ができるようになります。
まとめ:流れと言葉を覚えれば、レジ接客はこわくない
レジは、お店の中でお客さまといちばん長く向き合う場所で、最後に印象が決まる場所でもあります。
流れと言葉を覚えてしまえば、あとは目の前のお客さまに気持ちを向けるだけです。
まずは今日のレジで、「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」の2つを、お客さまの目を見て言うところから始めてみてください。

