「電話対応」と「電話応対」、「お客様対応」と「お客様応対」。
どちらも見かけるけれど、どっちが正しいのか迷ったことはありませんか。
同じ漢字を前後入れかえただけなので、意味も同じに見えますが、実は指しているものがちがいます。
僕は家具店の販売員として5年、アルバイトも入れると10年ほど接客の仕事をしてきました。
この記事では、その経験もふまえて、接客の場面での「対応」と「応対」の使い分けをわかりやすくまとめます。
- 目の前の相手と話す・受け答えする場面 → 応対(電話応対・来客応対・接客応対)
- 起きたことに合わせて処理する場面 → 対応(クレーム対応・トラブル対応・システム対応)
- 見分け方:「受け答え」に言いかえて意味が通じれば「応対」
- 接客では、お客様と話す部分が「応対」、そのあとの手配や処理が「対応」
対応と応対の違いは?「人」と話すなら応対、「物事」を処理するなら対応
2つの言葉のちがいは、向き合っているのが「人」なのか、「起きたこと・状況」なのかです。
応対は「人との受け答え」、対応は「状況に合わせた処理」| 応対 | 対応 | |
|---|---|---|
| 読み方 | おうたい | たいおう |
| 意味 | 相手になって受け答えをすること | 相手や状況に合わせて物事をすること |
| 向き合うもの | 人(お客様・電話の相手・来客) | 起きたこと・状況・問題 |
| よく使う言葉 | 電話応対・来客応対・接客応対 | クレーム対応・トラブル対応・顧客対応 |
※意味は辞書(大辞林 第四版)の説明をもとにしています(All About:「対応」と「応対」の違いは?)
応対とは:相手と向き合って受け答えすること
「応対」は、目の前の相手(または電話・メールの相手)と向き合い、話を聞いて答えることです。
お店に入ってきたお客様に声をかける、電話に出て用件を聞く、受付で来客を案内する。
こうした「人とのやりとりそのもの」が応対です。
言葉づかい・表情・声のトーンなど、相手への接し方もふくめて「応対がていねい」「応対が悪い」のように使います。
対応とは:状況に合わせて物事を処理すること
「対応」は、起きたことや相手の要望に合わせて、必要な処理をすることです。
商品のキャンセルを受けつける、壊れた商品を交換する、法律が変わったのでルールを見直す。
こうした「起きたことへの手当て」が対応です。
相手が人でなくても使えるのが、応対との大きなちがいです。
「新しいスマホに対応」「雨の日の対応」のように、人がからまない場面でも使えます。
見分け方:「受け答え」に言いかえられるか
迷ったときは、「受け答え」に言いかえて意味が通じるかを考えるとかんたんです。
- 電話の応対がていねい → 電話の受け答えがていねい(通じる=応対)
- クレームへの対応が早い → クレームへの受け答えが早い(少し不自然=対応)
- システム障害に対応する → システム障害に受け答えする(通じない=対応)
接客での使い分け早見表|電話・来客・クレームはどっち?
接客の仕事では、1人のお客様に対して「応対」と「対応」の両方が出てきます。
お客様と話している間は応対、話のあとで動くのが対応と考えるとわかりやすいです。
| 場面 | 使う言葉 | 理由 |
|---|---|---|
| お店に来たお客様と話す | 接客応対・来客応対 | 人との受け答え |
| 電話に出て用件を聞く | 電話応対 | 電話での受け答え |
| 電話で受けた注文を手配する | 電話対応 | 用件を処理する |
| クレームを受けて返品・交換する | クレーム対応 | 問題を処理する |
| 問い合わせに調べて回答する | 問い合わせ対応 | 用件を処理する |
| お客様全体への方針を決める | 顧客対応 | 状況への手当て |
「電話応対」と「電話対応」はどっちが正しい?
電話に出て、相手と話す・受け答えする部分を言うなら「電話応対」が本来の使い方です。
ただ、電話で受けた用件の処理までふくめて「電話対応」と書くことも、仕事の場ではよくあります。
どちらもまちがいではなく、何を指しているかで選べば大丈夫です。
「お客様対応」と「お客様応対」は?
お客様との受け答えの仕方(言葉づかい・態度)を言うなら「お客様応対」、お客様からの要望や問題の処理を言うなら「お客様対応」です。
求人や社内の資料では「お客様対応」がよく使われますが、これは受け答えから処理までまとめて指していることが多いです。
「接客応対」とは?お客様と向き合うときの受け答えの仕方
「接客応対」は、お客様と向き合ったときの、言葉づかい・表情・態度をふくめた受け答えの仕方のことです。
研修や接客応対コンテストなどで、よく使われる言葉です。
「接客」はお客様をもてなす仕事全体を指すのに対して、「接客応対」はその中でも、お客様と直接やりとりする場面に注目した言い方です。
接客応対の基本は「接客7大用語」
接客応対でまず覚えたいのが、どのお店でも使う7つの言葉です。
| 言葉 | 使う場面 |
|---|---|
| いらっしゃいませ | お客様が来店したとき |
| かしこまりました | 注文や依頼を受けたとき |
| 少々お待ちくださいませ | お客様を待たせるとき |
| お待たせいたしました | 待たせたあとに戻ったとき |
| 恐れ入ります | お願いするとき・ほめられたとき |
| 申し訳ございません | おわびするとき |
| ありがとうございました | お見送りするとき |
言葉の意味や覚え方、お辞儀の角度は接客7大用語の記事でくわしくまとめています。
接客応対で見られている3つのこと
- 言葉づかい:敬語が正しいか、言い方がやわらかいか
- 表情・目線:笑顔か、相手の目を見て話しているか
- 聞く姿勢:話をさえぎらず、最後まで聞いているか
目線の合わせ方が苦手な人は、接客のアイコンタクトのコツも参考にしてください。
対処・応接・接遇・接客との違い
「対応」「応対」のほかにも、接客の場面では似た言葉がいくつか出てきます。
「人」に向いているか、「物事」に向いているかで整理すると覚えやすいです。
| 言葉 | 意味 | 向き合うもの |
|---|---|---|
| 応対 | 相手と受け答えする | 人 |
| 応接 | 来客を迎えて相手をする(会って話す場面だけ) | 人 |
| 接客 | お客様をもてなす仕事全体 | 人 |
| 接遇 | 相手の立場に立って、ていねいにもてなすこと | 人 |
| 対応 | 状況や相手に合わせて物事をする | 物事・状況 |
| 対処 | 起きた問題をおさめるために手を打つ | 物事・問題 |
※応接・対処の意味は辞書の説明をもとにしています(All About)
対応と対処のちがい
「対処」は、問題をおさめる・解決することに重点がある言葉です。
「対応」は、解決まで行かなくても、状況に合わせて動くことすべてに使えます。
たとえば「クレームに対応する」は、話を聞いておわびするところからふくみますが、「クレームに対処する」は、原因を取りのぞいて解決するところに目が向いています。
応対と応接のちがい
「応接」は、来たお客様を迎えて相手をすることで、直接会う場面にだけ使います。
「応接室」という言葉があるように、少しあらたまった言い方です。
電話やメールには「応接」は使わず、「応対」を使います。
そのまま使える例文|応対・対応
実際の使い方を例文で見ておくと、迷ったときに自然な方を選べるようになります。
「応対」の例文
- 新人スタッフの電話応対が、とてもていねいだった
- 受付で来客の応対をお願いします
- あの店員さんは、どのお客様にも同じように笑顔で応対している
- ただいま別のお客様の応対中のため、少々お待ちください
「対応」の例文
- 商品の不具合について、交換で対応いたします
- お問い合わせへの対応が遅くなり、申し訳ございません
- 年末の混雑に対応するため、レジを増やした
- このアプリは新しい機種にも対応している
まちがえやすい使い方|人がいない場面に「応対」は使わない
いちばん多いまちがいは、人がからまない場面に「応対」を使ってしまうことです。
| まちがいやすい例 | 正しくは | 理由 |
|---|---|---|
| システム障害に応対する | システム障害に対応する | 相手が人ではない |
| 法改正に応対する | 法改正に対応する | 状況への手当て |
| 在庫切れに応対する | 在庫切れに対応する | 物事の処理 |
| 応対中の案件 | 対応中の案件 | 処理している最中 |
反対に、「お客様の応対が悪い」を「お客様の対応が悪い」と言っても、まちがいとまでは言えません。
受け答えだけでなく、そのあとの処理までふくめて評価しているなら「対応」でも自然です。
「応対中」は、今まさにお客様や電話の相手と話している最中という意味です。
「対応中」は、用件の処理を進めている最中という意味になります。
応対が上手い人がしていること
言葉の使い分けよりも大切なのは、実際の応対の中身です。
応対が上手い人は、話す前に「聞く」ことを大切にしています。


お客様から見ると、受け答え(応対)と、そのあとの処理(対応)はひとつながりです。
応対がていねいでも、頼んだことが進んでいなければ満足してもらえません。
接客全体で大切にしたいことは、接客で大切なこと7つにまとめています。
対応と応対のよくある質問
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Q応対とは?かんたんに言うと?
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A相手と向き合って受け答えすることです。電話に出て用件を聞く、来店したお客様と話すなど、人とのやりとりそのものを「応対」といいます。
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Q応対の読み方は?
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A「おうたい」と読みます。「対応(たいおう)」と漢字を入れかえた言葉です。
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Q接客応対と接客対応の違いは?
-
A接客応対はお客様との受け答えの仕方、接客対応はお客様の要望や問題の処理です。言葉づかいや態度を言うなら接客応対、返品や交換などの手配を言うなら接客対応が近い言い方です。
-
Q電話応対と電話対応、どちらを使えばいい?
-
A電話での受け答えそのものを言うなら「電話応対」です。電話で受けた用件の処理までふくめるなら「電話対応」と書くこともあり、どちらもまちがいではありません。
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Q応対中とはどういう意味?
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A今まさにお客様や電話の相手と話している最中、という意味です。「担当者はただいま応対中です」のように使います。
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Q対応と応対は英語でどう言う?
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A応対は「attend to」「receive」、対応は「deal with」「handle」が近い言い方です。電話応対は「answer the phone」、クレーム対応は「handle complaints」のように言いかえられます。
まとめ:応対は「人との受け答え」、対応は「物事の処理」
言葉の使い分けを知っておくと、報告やメール、面接での話し方にも自信が持てます。
まずは「受け答えかどうか」で見分けるところから使ってみてください。

