古賀史健 著の『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約を知りたい方へ。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読んでみたいけど、どういった内容なのが、知りたい。
と考えていませんか?
本記事では、下記の内容を解説します。
・『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の感想・レビュー
この記事を書いている僕は、専業のブロガーで毎日文章を書く仕事をしています。
日頃から文章を書いている僕の経験をふまえつつ、重要な箇所を厳選し、要約から感想・レビューまで解説するので、ぜひご覧下さい。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の要約を、目次の順に説明します。
目次は以下のとおり。
【第1章】文章は「リズム」で決まる
【第2章】構成は「眼」で考える
【第3章】読者の「椅子」に座る
【第4章】原稿に「ハサミ」を入れる
順番に要約を見ていきましょう。
その気持ちを「翻訳」しよう
以下の一文に要約されています。
誰かになにかを伝えたい、つながりたいと思うからこそ、”翻訳“をするのだし、しなければいけないのだ。
引用:ガイダンス p37
誰しも「話せるのに書けない」といった経験はあるかと。
その理由は、書こうとするから書けないということです。
文章を書くためには、書くことをやめて「翻訳」したものが文章になる。
と古賀氏は書いています。
文章の本質を、しっかりととらえていると感じます。
文章を書くのは、読者になにかを伝えたい、つながりたいと思って書くものであって、自分が書きたいことを書いても読者の心には響かないですね・・・。
なので、読者の心に響かせる文章を書くには、「翻訳」された分かりやすい文章が求められます。
文章は「リズム」で決まる
文体とはリズムである。
引用:第1講 p58
リズムの悪い文章は、端的に言えば「読みにくい文章」のことである。
具体的に、リズムが良い文章を書くための方法を4つに分けて解説しています。
②「視覚的リズム」
③「聴覚的リズム」
④「断定」
①「論理展開」
「論理展開」とは、文と文の「つなげ方」や「展開の仕方」のことです。
文と文のつなげ方や展開の仕方がおかしいとき、文章は支離滅裂になり、リズムよく読めなくなってしまいます。
そこで、文と文をうまくつなげる役割をするのが『接続詞』で、接続詞を正しく使うことで「論理展開」され、リズムの良い文章が書ける。
※『接続詞』については、実際に本を読んでみてください
②「視覚的リズム」
「読者は文章を”眼“で読んでいる」と書かれています。
例えば、本屋さんでパッと本を開いた瞬間、インターネットでブログ記事を見た瞬間、受け取ったメールを開いた瞬間。
読者はこの一瞬で「なんか読みやすそう」「なんか読みずらそう」と判断しています。
したがって、文章を書くには「視覚的リズム」が重要ですね。
視覚的リズムのコツは3つに分けて解説しています。
・改行のタイミング:改行のタイミングは早くていい
・漢字とひらがなのバランス
③「聴覚的リズム」
書いた文章は、音読をして「聴覚的リズム」を確かめる。
確かめるポイントは2つで、①読点「、」の位置の確認、②言葉の重複を確認。
実際に音読してみると、頭の中で想像していた「こう読むに違いない」というリズムと、耳から入ってくる音のリズムに大きなギャップを感じるはずです。
音読しつつ、自分の意図する箇所に「継ぎ目」としての読点が入っているかチェクできます。
また、不自然に重複された言葉がないかどうかも、音読をすることで気付きやすい。
書き終えたら音読してチェックすることが大事。
④「断定」
断定して、言い切ってしまうことでリズムが生まれる。
逆に考えると、なかなか態度を明確にせず、歯切れの悪い物言いに終始している文章は、どうやってもリズムが悪いですね。
しかし、断定の言葉はその切れ味の鋭さゆえのリスクが伴うので、注意が必要。
断定を使うためには、断定する箇所の前後を、しっかりとした論理で固めることで、リスクを回避しつつリズムを生むことができる。
構成は「眼」で考える
文章の面白さは構成で決まるが、構成を考えるときに以下のような方法をおすすめしている。
映画やテレビドラマなどの映像表現を参考にする
引用:第2講 p114
文章の構成は、『導入』『本編』『結末』の3つで構成され、映像表現を参考にすると、イメージしやすい。
②本編:主観のカメラ
③結末:客観(俯瞰)のカメラ
上記の3つの構成を具体的な例で、解説しています。
✔︎ 例:「ある男の子が大学構内で出会った女の子に恋をして、湘南の浜辺で告白し、見事ハッピーエンドを迎える」というフィルムがあったとする。
・導入:客観(俯瞰)のカメラ
ドラマの内容が、「いまからなにが始まるのか?」の説明から入ります。
制作者はまず、「ここは大学ですよ」「季節は春ですよ」などの状況説明をする。
・本編:主観のカメラ
続いてカメラは主人公の男の子をとらえ、女の子をとらえる。
女の子との出会い、初めて声をかけた時の緊張した様子、デートの映画館。
極めて近い距離でのショットが続く。
・結末:客観(俯瞰)のカメラ
最後のエンディングだが、ここでカメラはもう一度遠くから2人をとらえる。
夕陽の沈む水平線を背景に、美しい風景の一部として2人を書き出す、などはよくあるシーン。
上記のように、客観的な視点と主観的な視点を意識することで、文章の構成がわかりやすくなったり、文章の説得力も増す。
読者の「椅子」に座る
文章を書くとき、「読者」を意識して書いているか?
本当に読者を理解するためには、以下のように書いています。
必要なのは、隣に立つことではなく、読者と同じ椅子に「座ること」である。
引用:第3講 p159
読者の「椅子」に座るためには、①10年前の自分、②特定の”あの人“を想定することをすすめている。
ここで重要なのは、文章を多数の方に向けてではなく、特定の人に向けて書くことが重要。
なぜなら、みんなから喜ばれようとする文章は面白味がなく、結果的に誰からも喜ばれないからです。
特定の人に書いてこそ、ベクトルがはっきりして、文章も届きます。
原稿に「ハサミ」を入れる
文章を書くとき、「なにを書くか?」ではなく「なにを書かないか?」が重要である。
書くべきものが見当たらない場合は、素材が足りないのではない。
むしろ、素材や題材が多すぎて、見当たらないだけ。
伝わる文章を書くには、「ハサミ」を入れて編集していく作業が大事。
文章を書くことの本質が学べる本でした。
文章を書くことを学ぶ機会ってほとんどないかと。
強いていうなら、学校の国語の授業ですかね。
とはいえ、学校の国語で習うこととは全く別物で、しょうじき義務教育の9年間の国語の授業よりも、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の本を読んだ方が勉強になりますね。
読者に伝わる文章を書くための、本質的な考え方から実戦可能な具体的な方法まで書いてあるので、おすすめです。